クリニック通信Clinic Letter

6月の診療室だより

家族を札幌に置き単身赴任する人が増えています。共働き家族の増加は、必然的に家事を苦にしない単身赴任者の増加となっています。Yさんもその一人。食材の豊富な帯広に赴任し、この町の魅力にとりつかれています。
札幌側の占冠から続く、トンネルに次ぐトンネルの高速道路を抜け日勝峠を後にすると、雄大な十勝平野が眼前に広がります。Yさんは月に一回は、夏場も激寒の冬も札幌帯広を行き来しています。「単身赴任をして10年、ばんえい競馬の催される帯広はさながらロデオを楽しむ西部劇の中にいるような雰囲気を漂わす町、この町はそんな所です」とYさん。時々上がるどとうの歓声を耳にしながらYさんは毎週末散歩をします。ここはばんえい競馬、しかしながらYさんが歩くのは競馬場の中ではありません。その周り4.5キロを海鳴りのような歓声に押されるように歩くのです。一度も中に入ったことはありませんが、臨場感は満点です。散歩の後は十勝川温泉までひとっ走り、モール温泉にゆっくり浸かり身体を整えるのがルーティンになっています。
3カ月に一度の受診日、ここ数年で身体が一回り大きく見えるようになったのは肥満のためばかりではないようです。良質の肉の摂取と豊富な地元の野菜による所が大きいようで、Yさんにとって帯広は新たな生きがいを提供してくれる町なのです。
収穫祭の行われている隣の町、池田町はYさん一押しの町。牛一頭を丸ごとバーベキューにする年一回のお祭りです。大好きな牛肉とワインが、これでもかと振る舞われます。札幌から参加したYさん家族は大満足です。一年に一度の父親らしいYさんの一日となりました。

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