クリニック通信Clinic Letter

2月の診療室だより

 認知症は多くの家庭で悩みの種となっているようです。多くの場合、突然に認知症に襲われるのではなく、ある時は異常、ある時は正常の繰り返しです。

 Kさんの家庭はKさん夫婦と息子夫婦、孫1人の構成で、大きな農場を経営しています。Kさんの奥さんが、ある日亡くなった両親の分のご飯を食卓に並べるようになったことから家族が異変に気付くようになりましたが、その他のことでは日常生活に変わったことはありませんでした。しかしながら、毎食ごとに繰り返される多量の残飯の処理にKさんが苦言を呈すると、あの頃は満足に食べさせてあげられなかったから今やってあげているんだ、どうせ貴方だってこの先何年も生きられるわけでもないでしょうし(この世で大したことをしてる訳でもないし)私に夜中に動き回ってうるさくて眠れないとか言うけど、あと何年かで4百年でも5百年でも眠れるようになるんから気にしないでいいんじゃないの?と真顔で言われたとの事。どこまでが正常で、どこまでが異常なのか、認知症対策は常に一律ではなく、個別の対応が求められているようです。

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