クリニック通信Clinic Letter

9月の診療室だより

糖尿病を長年わずらっているNさん、79歳。2年程前までコントロールは良好でしたが、最近になり悪化傾向が目立ちます。どうもご主人が亡くなってから不良となってきて、以前より明らかに食べる量が増えているようなのです。もともと性格的に明るいNさん、シングルマザーの娘さんが孫を連れて同居するようになり、ますます笑顔が増えました。車検を何回も繰り返してきた中古車の私が、新車同様の娘と孫に張り合うことになって私大変なんです、と訴えます。なんで大変なのか定かではありませんが、足回りも燃費も悪くなったNさん、食べなきゃもたないのよ、と同じ量を食べた結果は明らかです。燃費悪いんだからしょうがないんです、と仏壇のお菓子をつまむ毎日です。
趣味はカラオケ、それもプロ並みと周りから評価されているようですが、新型コロナのクラスター発生のあおりを受けてなじみのカラオケ店が閉鎖。運動代わりのカラオケもままならず、さすがのNさんも打つ手なしと仏壇のお菓子をもうひとつ。新型コロナの騒ぎが収まるまで糖尿病の回復は見込めそうにありません。娘と孫との同居ですっかり好きになってしまったから揚げを嫌いになる方法があれば糖尿病は良くなると思います、と開き直り気味のNさんです。

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