クリニック通信Clinic Letter

10月の診療室だより

糖尿病と高血圧で治療中のTさんは最近運動不足を訴えています。新型コロナの影響で自宅にこもっているためではありません。ご主人は稚内で漁業を営んでおり、周りは密になるような環境ではありませんが別の問題が生じています。暗くなると、家の近くの国道を、鹿、キツネ、タヌキ、時にはアライグマが走っています。Tさんが小さな頃は人家の近くで見かけることはほとんどなかったそうですが、これらの動物が過密状態にあり、うっかり散歩ができないのです。人を襲うことはないようですが、暗闇に光る眼は不気味です。
一方、積丹半島のある村で野菜、果物を育てるYさん、今年は出来の良いスイカがたくさんできたのですが、収穫を間近にして全滅しました。犯人はアライグマです。昨年もやられたため電気柵やらいろいろ策を講じたのですが、下を掘られてこの結果です。罠を仕掛けてなんと14匹を捕まえましたが焼け石に水、敵はこの数倍いるようで効果なし。さらに鹿の存在に加えキツネもいます。真っ赤に熟れたトマトも無残に食い荒らされました。持病の狭心症は睡眠不足が重なって悪化の一途です。昨年、冠動脈ステントを入れたにもかかわらず入院となってしまいました。
人家近くをさまよう熊、そしてアライグマ、鹿。北海道全域で見受ける野生動物との遭遇頻度は高まるばかり。引きこもり現象は向後悪化こそすれ、減少することはなさそうです。

一覧へ戻る