クリニック通信Clinic Letter

4月の診療室だより

 長年、高血圧と糖尿病治療中のYさん、冬場は好きなパークゴルフも出来ず、選挙活動でもなければ運動らしい運動は全くない状態となります。当然、糖尿病のコントロールは不良となる訳ですが、何もすることがないので全く冬眠状態となり、肥大したお腹をながめるばかり。

 2月のある日、Yさんは少し慌て気味に受診しました。どうも俺は当たったらしいというのです。両手はしびれ、力が入らないと訴えます。話を聞いてみると、1週間程前から奥さんと一緒にパチンコを始めたとの事。おもしろいので急速にのめり込み、1日数時間に及ぶパチンコ狂いになっていました。だぶついた身体に数時間の不動の緊張は首や肩が動かなくなる程の凝りを生じたようです。治療は2週間のパチンコ禁止。脳梗塞の心配で受診したのに薬もなく、不承不承納得して帰宅となりました。

 パチンコに興じる高齢者はかなり多く存在するようですが、バクチ性が高くなっている昨今のパチンコはあっという間に何万ものお金を浪費する可能性があり、高齢者には極度のストレスを与えるようです。Yさんの場合あまり負けてはいなかったようですが、2週間の緊張緩和のあとはすっかり手のしびれや脱力感もなくなったようで、春の声と共にパークゴルフ再開に向け準備を始めたとか。パチンコはやめたとの報告を受けました。

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