クリニック通信Clinic Letter

5月の診療室だより

 不整脈を持病に持つYさんは知る人ぞ知る江差追分の名人ですが、この愛好家の多い追分は毎年冬に全国大会があることが知られ、全国各地での予選を勝ち抜いた50人が江差に集結します。

 身体のむくみや日中の倦怠感を訴えていたYさん、声の出ものびも今いちの状態でした。現在68歳のYさんの年頃、父親は脳梗塞で他界しており、そんなことも気分を滅入らせていたようです。診断は睡眠時無呼吸症候群、かなり重症でした。CPAP(シーパップ)という人工呼吸器の一種の導入で無呼吸は激減、1時間当り40回以上あった無呼吸は1~2回となりました。無呼吸の改善と共に、心身共に回復したYさん、江差追分全国大会へ。目標は10位以内です。勇躍江差へ乗り込みました。前日少し飲み過ぎましたが本番はまずまずの出来。しかしながら結果は20位でした。

 この全国大会での優勝者にはお米や海産物、商品券もろもろが当たり、ほとんど小型トラック一台分になると言われています。一方で準優勝はなく、2位以下は表彰状のみ、全くの一人勝ち状態ですから相撲とよく似ています。

 調子が良くなったYさん、来年こそ10位以内、あわよくば優勝を狙いたいと練習に励んでいます。すでに友人の軽トラックを予約しているとか。

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