クリニック通信Clinic Letter

7月の診療室だより

今年83歳になるAさんは左脇腹の痛みがここ半年ほど続いています。あまり強い痛みではありませんが、常に痛みがあり、最近では食欲もなく体重も落ちてき ました。 近くの胃腸科のクリニックや総合病院の消化器を受診、いずれも心配なしと整腸剤のみ渡されての繰り返しです。膵臓が近いことからかなり特殊な、 痛みを伴う色々な検査も受けましたがやはり異常なし。
 こんな時に威力を発揮するのが、当院の超高速CTです。 Aさんの大腸には普通でははっきりしない小さな憩室(大腸壁からの突出した部分)が多発し、炎症を引き起こしていました。 この様な小さな憩室は大腸内視鏡で見てもほとんど観察出来ないのが普通です。
 抗生物質を3日間服用することでAさんの症状は消失しました。 通常、憩室炎は再燃することは多いのですが、対処方法がわかったことはAさんにとって福音であることは間違いないでしょう。

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