クリニック通信Clinic Letter

1月の診療室だより

Tさん82歳、最近持病の高血圧はずっと不安定です。今日の血圧は233/97。ふらつきを訴えます。「原因は夫」とTさん。3カ月ほど前まで働いていたご主人が仕事を離れ自宅にいることになりました。四六時中Tさんの目の前をウロウロするようになった上に、何事にも生真面目なご主人、毎日変わらず朝4時起床、6時朝食、昼は11時、夕食は5時15分晩酌付きと以前と全く変わらぬ生活が続いています。唯一、ご主人の白内障手術が終了して、午前中1時間散歩に出かけてくれる時間だけがほっとできるリラックスタイムだとか。
「80歳を過ぎて何でこんな目に合うのだろうか」と自問自答する毎日ですが、気の抜けない日々の連続はもろに血圧に反映しているようです。「こんな日々が続いたら私生きて行けないんじゃないか」と不安顔です。結婚して60年、昔ながらの夫唱婦随型の結婚生活が変わることなく続いていることが不思議ですが、「女は大変」とぼやきながらいそいそと帰宅する姿に不幸感はありません。増量された降圧剤は問題を解決してくれるのか、帰ったら高血圧の夫が好きな麺類の昼食を作って、少し多めの塩気でもてなしてあげようかとしたたかな対応策を考えるTさんです。

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