クリニック通信Clinic Letter

5月の診療室だより

Оさんは今朝受診出来ないそうです、と受付からの連絡が入りました。毎年この時期になるとお定まりのドタキャンです。手稲山からの風はまだ寒くコートが欲しいこの季節ですが、朝から晴れたこの日は絶好の山菜採り日和です。お目当ては言わずと知れた小豆菜(アズキナ)。趣味と言えば山菜採りのОさん、こんな日を見逃すはずはありません。そろそろ戻る頃かなと思う矢先の午後3時、Оさんが小豆菜をいっぱい詰めた段ボールを抱えてやって来ました。まだ寒くても自然はしっかりと春になっていました。
一方、雪解けが進んで道路の根雪が消えると今まで隠れていたマンホールが顔を出します。こんなマンホールの蓋を観察するのを心待ちにしている人達がいます。人呼んでマンホール女子。Sさんがマンホールの絵に興味を持つようになったのは学生の頃。同じように興味を持つ数人が集まり、マンホール女子会を設立しました。結婚後もこの会は続き、インスタ映えのするマンホールの蓋がインターネット上を飛び交っているとか。夫婦の旅行ではご主人は景色、奥さんはマンホールの蓋で下ばかりを見ていて全く波長が合わないため、自然と別々の行動をとるように。マンホールの蓋に季節感が出るのかどうかわかりませんが、札幌駅前の乙女の像のマンホール、時計台の絵も人気の場所(スポット)とか、小樽に行けば運河の絵、苫小牧にはホッケーの絵、とマンホールの絵を探す、下ばかりを見て歩く奇妙な人達がこれから多くなるとの事。
春の訪れとともに各種の趣味も全開、趣味の世界に老化現象はすっかり息を潜めてしまっている様です。

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