クリニック通信Clinic Letter

1月の診療室だより

酒は飲みたくない、が口癖のYさん、今日も忘年会帰りのようで、無呼吸治療器CPAP(シーパップ)のバック持参で受診しました。定山渓温泉からの帰りとか、いびきが酷く、このシーパップ装置なしでは他の人と一緒に一泊旅行も出来ないのです。フランス産まれのこの装置、軽量で持ち運びも用意のため無呼吸対策の優れものと共にいびき対策もしっかり行い、嫌われ物のいびき常習者の福音ともいえる存在になっています。何かと出不精になりやすい高齢者ですが、いびきはその大きな要因の一つであり、肥満、高血圧、糖尿病には付き物と言えます。人付き合いが大好きで酒も大好きなYさん、12月はその集大成とも言うべき会合が目白押しです。老人会、町内会、パークゴルフの会、推している道議会議員の後援会の集まり、変わっているのは自衛隊募集係の会というのもあり、自衛隊幹部との打ち合わせ、そしてその打ち上げと続きます。12月のスケジュール表は真っ黒、隙間はほとんどありません。今日のYさんの健康状態は、血圧やや高めで浮腫(むくみ)ありと言った所。大好きなキュウリの塩もみをたらふく食べた結果のようで、飲みたくないけどと言いつつイソイソとシーパップのバックを下げて診察室を後にしました。“これ付けて寝ると周りの奴にうるさいと言われず、二日酔いもしないんだわ”との事。シーパップが二日酔い対策になるとは、予想外の使われ方でした。

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