クリニック通信Clinic Letter

9月の診療室だより

85歳のKさん、今日もキャリーバックを引っ張って受診です。当院から左程離れていない所に住むKさんが大きなキャリーバックを持参する理由は定かではありませんが、受診終了後には何か行事が入っていることは確かなようです。華やかで社交的な奥さんに隠れていつも寄り添うように付き添っていたKさんですが、数年前に奥さんに先立たれた後は見違えるように社交的になり、外での活動を積極的にするようになりました。一週間はほぼ毎日のようにスケジュールが組み込まれ、ほとんど空いている曜日がない程です。ちなみにKさん所属の会は、老人クラブ例会、懐メロ会、詩吟の会、書を楽しむ会、お茶の会、そしてパークゴルフ等々。その内で中心をなすのが月2回、手稲区内のカラオケ店で行われるカラオケの会で、午前10時から夕方6時までの長丁場で20名程の会員が入れ替わり歌いまくるものです。料金は格安の450円、へとへとになるまで歌いまくるデスマッチカラオケ大会とでもいう老人パワーの炸裂です。休む間もなく明日金曜日は老人クラブのパークゴルフ大会、その後は近くの公園でジンギスカンパーティー。楽しくてしょうがないという顔でいそいそとカラオケの会場にキャリーバックを引いて駆けつけるKさん、こんな元気な老人が20人も揃ってカラオケ店で大騒ぎという光景は何ともすさまじく、老人エネルギーのすごさを感じさせます。先生、俺はいくつまで生きられると思います?との問いには今の所答えるつもりはありません。

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