クリニック通信Clinic Letter

4月の診療室だより

特殊車両の運転手としてはかなり高齢のNさん、年々深夜の仕事がきつくなって来ています。高血圧も左程ではなく自覚症状もほとんど訴えないNさんですが今年の冬は格別でした。1~2月にまとまって降った雪は交通を麻痺状態としたため、Nさんの出番は連日に及びました。深夜を通じて朝は7時まで飲み放題となっているドリンク剤で目を覚まし、除雪作業を続けます。さすがの強健を誇るNさんも肩こりと頭痛を訴え受診しました。  連日の深夜作業とドリンク剤の飲み過ぎで血圧は上がりっぱなし、むくみまで出ています。聞けばいつもの除雪と異なり、冬季アジア大会の開催で会場への主要道路の除雪範囲が拡がり、更に皇族方の来札でホテル周辺から会場までの除雪は入念を極め、凹凸を少なくするため目の休まる間がない状態とか。華やかな大会の裏方の仕事は除雪のプロをしても大変の様ですが、大会が成功裏に終わった安堵感もまた格別だった様です。  それはさておき、昨今、高齢者ドライバーの事故に対する批判で新聞紙上を含め報道が過熱気味と言っても良い状態ですが、後継者のいない私のような特殊車両の運転はどうなっているんでしょうね?と自嘲気味に話すNさん。所謂、高齢者と言われるドライバーの事故は、実際には60歳以前のドライバーと比べて決して高くないと言われているし、酒酔い運転も高齢者の方が少ないと言われており、少し騒ぎ過ぎの感のある報道にNさんは少なからず憤慨しています。  3月に入って今夜も大雪の予報です。寝不足で充血した目ながら意気軒昂、今夜の出勤に向けて高齢者ドライバーは健在です。

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