クリニック通信Clinic Letter

3月の診療室だより

お菓子のない世界には住めない女性が急増しているようです。Aさん59歳もその一人、体重は76㎏、肥満指数は40を超える本格的な肥満症。一応お菓子ばかりでは身体に良くないからと果物を買ってみるが常に得だからだと箱買いし、2日間くらいで食べきってしまうのが常。こんな状態で肥満との戦いに勝利する訳がありませんが、一縷の望みで運動をすることにしました。勇躍出かけた先はショッピングセンター。結局彼女の机の上にはお菓子の袋が山積みになっていました。

もう一人のお菓子の世界の住人はYさん80歳。本格的な糖尿病のYさんにとってお菓子は第一に避けなければなりませんが、目の前にお菓子の袋があれば無意識に手が伸びてしまうとの事。そこで彼女は妙案を思いつきました。目の前になければ食べないのですから、お菓子の袋を家中の押入れ、額縁の裏、机の奥などに隠したのです。ハツカネズミは餌をまずあちこちに隠しておいてあとから取り出して食べると言いますが、まさにYさんの例がハツカネズミ的摂食行動そのものです。食べかけのお菓子まで隠すので虫が発生、その退治にご主人は悪戦苦闘を余儀なくされ、夫婦喧嘩のおちまで付くハメとなってしまいました。

お菓子の世界は決して甘いばかりではないようです。Yさんは年齢と同じ、80㎏を超え、未だ増え続けています。

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