クリニック通信Clinic Letter

11月の診療室だより

 肥満は現代社会(ストレス社会)における極く一般的、かつ深刻な病態となってきているようです。肥満先進国と言われるアメリカのFDA(食品医薬品局)が最近2種の肥満治療薬を承認しました(商品名:ベルビック リシミア)。いわゆる痩せ薬でありますが、飲むだけで痩せられるとなれば多くの肥満者、肥満準備者がとびつくであろうことが予想されています。

 100kgを超える体躯のS氏は、少し歩くだけで息切れ、多汗を覚えるようになり、当院を受診しました。肥満症による高血圧、糖尿病が原因ですが、最近社長に就任したばかりのS氏にとって、会食はほぼ連日、もともと好きなワインの量は上るばかり。処方箋は外食を控えること、体重コントロール、運動ですが、現状ではほぼ不可能とのこと。痩せ薬の処方を希望されました。

 痩せ薬は基本的には脳内アミンと言われる刺激伝達系に働く薬剤ですが、現在日本で販売されているいくつかの薬は、その副作用が問題となっています。心毒性、心臓弁障害、精神障害等々ですが、それらを説明し、S氏には何とか食事療法を試みることとしました。幸いにも当院には栄養失調気味の2人の管理栄養士による説得力のある栄養指導が可能であり、今の所S氏は10kgの減量に成功し、継続中です。

一覧へ戻る