クリニック通信Clinic Letter

8月の診療室だより

 自己免疫肝疾患、一昔前はルポイド肝炎と言われた肝臓病のIさんが、最近急に化粧が濃くなり、色っぽくなって来ました。若返ったといっても過言ではないのですが、それと期を一にして健忘症症状が強くなって来ました。
 認知症は思いもよらぬ症状を呈することがあり、判断に苦しむことが多々あります。Iさんの場合、息子さんが異常に気づき、忘れ物を人の所為にすることが多くなり、隣近所、親族にも拡がったため知る所となった訳ですが、本人は至極真面目な上、家事一般に問題が無いため、なかなか説明が難しいのが実情です。
 最近、今まである種リンパ腫治療薬として使われていた薬剤が、アルツハイマー病の動物モデルに著効を示したことから、にわかに治療可能な疾患となるかもしれないと期待され、著名な雑誌に掲載されています。ごく近いうちに特効薬として市場に出るかもしれず、期待が膨らんでいます。

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