道東のある町から受診されたIさんは、自律神経障害による異常発汗を訴え近くの医療機関を受診し、胸腔鏡を用いた胸腔内自律神経節ブロックの手術を受け ました。確かに発汗はなくなったものの、その後のIさんは夏でも手足の怜感に悩まされ、冬ともなればしもやけになる始末です。異常発汗の頃の方がよっぽど マシという状態になってしまいました。
最近では胸腔鏡を含めた医療技術の発達で、以前であれば二の足を踏むような手術が簡単に施行されるようになっています。いわゆる自律神経失調症に対して Iさんが受けた手術は、今やごく一般的な処置になっております。しかしながら充分な検証なく安易にこのような施術を受けることの怖さをIさんの例は示して いると言えるでしょう。