クリニック通信Clinic Letter

1月の診療室だより

Tさんの熱は、抗生物質の投与にも拘わらず寝汗と共に続いていました。高度の肺気腫のため自宅で酸素療法に依存せざるを得ないTさんにとって、微熱とはいえかなりこたえる状況でした。喀痰の細菌培養結果が出ました。あの有名なMRSA(耐性ブドウ球菌)だったのです。
 つい最近、新聞紙上を賑わしたインド発の耐性菌があります。現在存在する、抗生物質が全く効果がないという八方ふさがりの耐性菌です。インドで何故?と 考えますが、かの地の抗生物質が処方箋なしで誰でも自由に手に入ることが原因と言われています。早晩日本でも、この耐性菌の猛威に見舞われることは必定と 言われています。
 TさんのMRSAは幸いにも一つの抗生物質に感受性があることが検査で判り事なきを得ました。しかしながら次は?と考えると背筋が寒くなる思いです。

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