クリニック通信Clinic Letter

12月の診療室だより

病院内での院内感染はつい最近でも新聞紙上を賑わす深刻な問題ですが、その対策となるとなかなか難しい状況下にあります。その一つは病院には不特定多数の人が出入りすること、もう一つは病院スタッフの感染症不感症ともいうべき認識不足による所が多いようです。
 Hさんは建設業の社長を引退され悠々自適の生活をされていた方ですが、不整脈のため市内病院でペースメーカーを入れることとなりました。施術そのものは 全く問題なく終了したのですが、何もしていないHさんはもう少しゆっくりしたいと思い、余計な別の検査を言われるままにやることになりました。二つ隣りの 大部屋の一人が当時熱を出しており、一週間後にはHさんの部屋も感染者が出て、気の毒なことに退院間近のHさんも感染してしまいました。発熱とそれに伴う 食欲不振で見る間に5キロもやせてしまい、挙句の果てには感染症治療のため別の病院へ移送、踏んだり蹴ったりの一か月となってしまいました。病院は安全な 場所というのは今は昔、感染症に関しては最も危険な所と言えるかもしれません。

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