98歳になるHさんはいつも午後3時過ぎの受診です。寒い午前中は避けたいのと、バスの便が悪く通院の時間が限定されているためです。今日は何事もなくクリニックに辿り着きましたとのこと。塩分制限が必須ですがなかなかうまくいっていません。「しょっぱいものたくさん摂ったら突然死しちゃうんでしょう?」と言いつつも、一人暮らしのため新鮮な魚を市場で毎回買ってくるのは無理、必然的に長持ちする干物や加工魚が多くなってしまうので塩分はどうしても多くなりやすいようです。「昨夜は好きなサバの一夜干し半身を食べたら今朝はこんなに浮腫んじゃって」と脛を出して見せてくれます。「水を飲みなさいと言われるけど水、水、水でもうおぼれそうです」と、こちらが水を向けるまでもなく必要と思われる情報を一気に披露してそそくさと帰り支度です。いつものように2カ月処方の可否を尋ねると、今度の2月は受診したくないとのこと。今年の2月は大雪の上吹雪で、バス停まで来たけどバスは運休、タクシーを頼もうにもスマホは持ってないし周りの店は閉まってるし、ようやく開いていた店に入ってタクシーを依頼したらこの店は葬儀屋さんで、15分くらいで来ると言われたが高齢の杖をついた老人の自分にどんなことを頼んでくれたのか心配になって落ち着かなかった。30分後、車が来たと伝えられ外に出たら普通のタクシーが待っていてくれた。てっきり霊柩車が迎えに来るのではと心配だったが正直ほっとしたとか。そんな訳で次回受診日は3月に決定。吹雪の中の通院は避けられそうで当面霊柩車の心配はしなくて済みそうです。