クリニック通信Clinic Letter

3月の診療室だより

いつもは明るい笑顔で診察室に入って来るTさんですが、今日は何となくうかない顔です。Tさんは今をときめくニセコ町の役場職員です。外国人(今は台湾人、オーストラリア人が主体)が圧倒的に多い冬場、明らかに飲酒運転と思われる車、道路の真ん中を大声で騒ぎまくる人たち、毎日これらの苦情の山に悩まされているようです。
地価上昇が日本一ともいわれるニセコ町ヒラフには多くの高級マンションが立ち並び、札幌以外ではほとんど見かけない高級ブティックが軒を争っています。超高級品を扱う店の中には全く店の標示のないドアのみの所もあるとか。明らかにここは日本にあって日本ではない別の異次元の街と化しているようです。タクシー代わりに110番してパトカーを呼ぶ中国系の住民など、古くからの住民が眉をひそめる事例が後をたちません。表向きは景気の良さばかりが目立つニセコ町、その影の部分は公共の仕事を担う町職員によって支えられているようです。
今朝の事例はコンビニでの事件。数人でやって来たお客はレジで支払う前に棚から取ったお菓子を食べてしまって知らんふり、レジ係には日本語がわからないと身振り手振り、結局踏み倒し状態へ。駐車違反でつかまってもやはり日本語がわからないと無視、その内に母国に戻ってしまって闇の中。ルールを知らない、知っていても守らない金持ち外国人。言葉の壁を上手に使うルール違反者を陰ながら守らなければならないTさんたち役場職員のイライラは今後ますますひどく厳しくなることが予想されます。

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