クリニック通信Clinic Letter

12月の診療室だより

 早朝6時、フィットネスクラブの入口にはすでに数名のメンバーが並んでいます。いずれも80台の女性ばかりですが、文字通りの朝飯前の運動を習慣としているメンバー会員です。散歩替わりのトレッドミル40分、筋トレ、柔軟体操のあとはゆっくりと汗を流し、81歳のIさんは自宅マンションに戻って来ました。介護サービス付マンションの朝食は8時、余裕の朝食のあとは自室に戻って好物の饅頭とお茶。

 数年前に受けた乳癌の手術後は抗癌剤治療に苦しみ、脱毛と食欲不振に悩まされた日々が続きました。大好物だった“和なま”も受け付けない状態ですっかり自信喪失していた毎日でしたが、最近ようやく上向きとなって来ました。フィットネスクラブ入会と仲間との交流が大きな要因となったようです。

 配偶者を亡くした一人暮らしの高齢の女性が増えています。頼りになりそうな医療機関が近く、フィットネスクラブのような1年中運動が可能な施設も近傍にあって、家事、諸々から解き放たれた生活、介護サービス付マンションはやや高額ですが、Iさんのような高齢女性に支持されています。月18~20万の料金は決して安くはありませんが安全と安心を与えてくれるようです。マンションの食事は朝夕の2食、昼は再び仲間とランチ、そして好物の饅頭、羊羹、アイスと日替わりで食べるようにしているとのこと。甘い物を食べると目が覚めるんだよね、よくテレビに出て来るような、猫とうたた寝する年寄にはなりたくないから。

 一時20㎏も痩せたIさんもすでに70㎏の大台になろうとする肥満体、早朝の運動だけでは庇いきれない状況に追い込まれています。

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