クリニック通信Clinic Letter

12月の診療室だより

高血圧、糖尿病の治療中のTさん、目下の懸案事項は肥満です。毎日1時間近く散歩をしていますが、肥満解消はおろか体重は増加傾向、肥満指数は30近くになろうとしています。現在65歳、高齢の両親が岩内に住み、93歳のお父さんは胸部大動脈瘤で危険な状態にあるとか、いずれ札幌に引き取り介護が必要と考えていますが、自分がこんな状態ではと不安を感じているようです。

 田舎住まいの両親を引き取り札幌へというルートは最近とみに多くなってきているように見受けます。人口の札幌集中がしばしばマスメディアをにぎわしますが、全てとは言えないもののかなりの数が地方からのこのような高齢者の移住と考えられます。手稲区の介護施設には地方からの入所者が絶えることがありません。

 肥満で悩むTさん、親の介護問題も不安材料となり最近新たな事実が判明しました。誰もいなくなる昼食の時間、いつものように小鍋を用意し、水を満たして1人昼食の始まりです。スーパーで買ってきた薄切りの豚肉で大好きな豚しゃぶパーティーです。この習慣はすでに1年以上続いており飽きることがありません。毎日歩く自分へのご褒美です。誰も知らない昼食の秘密、自分だけの至福の時間を手放すつもりは全く考えていないようです。彼女の肥満との戦いは永遠に続きそうな予感がします。

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