クリニック通信Clinic Letter

12月の診療室だより

 留萌から通院中のAさんは上品な奥さんで甘い物が大好きで笑顔が素敵な67歳。地元では良く知られた方のようで自分の病気が知られたくないのか、当クリニックに2ヶ月に一度通っています。膚のきれいな方ですが、しばしば手や脚にひっかき傷をつけて来ます。時には脚の捻挫も・・・。どうもその原因は自宅で飼う5匹の猫のようです。時々そのうちの一匹が外に出ていろんな物を口にくわえて戻って来ます。今風の猫にはそのような習性はないと思っていましたが、時にはねずみ、時にはトカゲをつかまえて来ては家の中に放します。朝起きて来て半死のねずみを居間で発見したAさんは驚きのあまりほとんど失神状態となりました。次の日は尻尾の切れたトカゲを寝室で発見、ギャーというAさんの絶叫にご主人がかけつけました。Aさんは転倒して脚を捻挫。それでも猫への愛情は変わらず、脚の傷用の軟膏を今日も持って帰りました。

 沢山の猫を飼う女性が増えているようです。11匹を買うМさん、8匹のTさん、二人とも早くにご主人を亡くしておりますが、脚の不自由なNさんなど家の中はどうなっているのか、他人事ながら心配になりますが、猫の世話が適当な運動となり、話し相手となっていることが孤独を慰める手段となっているようです。今日もどこかの猫屋敷で絶叫が響いているかもしれません。

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